リテーナーの話
2023年10月14日
矯正で歯を正しく並べ終わったあとは歯のガタガタが戻らないようにリテーナーを使用していただいております。
リテーナー使用時の意外な注意
- 自分だけはリテーナーを少しぐらい入れなくても、歯も骨も固いので戻らない気がするのは気のせいです。
必ずご飯の時以外入れましょう。 - リテーナーは緩まない?丁寧ではない付け外し方法や、軽く噛むTCHでかなり緩みます。
- 歯石や着色がつきにくいですが、油断しているとかなり劣化してしまいます。
- 上下の顎のズレを防止する効果は無いです。
リテーナーブライトという専用の洗浄剤と、歯磨きの際に紫のリナメル(歯磨き粉)を使って一緒に汚れを落としてください。
取り外しの際は、親指と人差し指で挟むようにして取り外すとリテーナーが緩く開いてしまいにくいです。
上下の歯のズレを防止はできません。なぜなら上下別々になっているからです。
上下のズレは噛み癖が偏って起こるので習慣化改善をご案内いたします。
ただ入れておけば治る訳ではありません。
歯の動揺がなくなり、CT撮影時に歯根と歯槽骨との間の透過像が消えていたら、リテーナー使用終了のタイミングです。
動揺が止まって透過像が消えるためにはリテーナーの使用だけでは不可能なので、氷水でアイシングとブクブクうがいをしてください。
ウォーターピックに氷水を入れて冷やしても効果的ですし、知覚過敏のある場合は氷水の氷嚢でほっぺの方から冷やしてもらっても構いません。
アイシングでリテーナー期間の大幅短縮が可能なので2年ではなく2ヶ月で全日使用を完了したケースもございます。
リテーナーを甘く見て再矯正したわたくし貞永だからこそ、患者さんに同じ思いをして欲しく無いのです。
そのためには、定期的にリテーナーの緩みや汚れを落としてズレが起こる前のアドバイスをさせていただきますので、大切な診察であるリテーナー検診に必ずお越しください。
それではまた。
p.s.固定式リテーナーの話
固定式リテーナーは人気がありますが、以下の3つのデメリットがあります。
- 外れても気付きにくく、そこだけ後戻りしてしまう。
- 外れて後戻りしなかったとしても、固定式リテーナーが触れている部分が虫歯になる。
- 固定されているので歯根の周りの骨が弱くなる。
よって、シグマ矯正歯科では固定式リテーナー(FIXリテーナー)は基本的に採用しておりません。
しかし、諸事情でマウスピース型のクリアリテーナーの使用時間が17〜20時間も装着出来ないという方のために、歯と歯を直接ボンディングして固定リテーナーとして使用していただくことも可能です。
理由3.の骨が弱くなるというデメリットを解消するために半年の間限定となりますが、この固定を行なっている間にアイシングで矯正後の歯の動揺を鎮めて、その後はこの固定を外して夜のみの6〜8時間リテーナーに変更するという方法をシグマ矯正歯科では行っております。
このように、みなさまのさまざまな諸事情に柔軟に対応させていただきますので、リテーナーに対して不安のある方はぜひご相談ください。それではまた。